引退競走馬の行き先はどこ?年間5000頭以上と言われる引退馬の実態。/大阪府河内長野市

私は、Retouch(リタッチ)の代表を務めております、野口佳槻と申します。
Retouchは、競走馬としての役目を終え、行き場を失った馬たちに「もう一度、生きる場所」をつくるために生まれました。
Retouch(リタッチ)という名前には、「もう一度、その命に手を差し伸べたい。」そんな、私たちの願いを込めています。
華やかな競馬の、その先にある現実。競馬は、多くの人に夢と感動を与えてくれます。毎年7,000頭以上のサラブレッドが生まれ、人々はその走りに歓声を送り、勝利に涙し、人生を重ねます。
しかし、その輝きの裏側には、ほとんど知られることのない現実があります。
引退競走馬の現状
①競走馬として結果を残せなかった馬。
②ケガをしてしまった馬。
③年齢を重ね、役目を終えた馬。
そうした多くの馬たちは、行き場を失い、肥育場へ送られます。そして、静かに、その命を終えていきます。

私が忘れられない光景・・・初めて肥育場を訪れた日。入口には、山のように積まれた「ムクチ(顔につけるバンド)」がありました。それは、ここから送り出された馬たちが最後に残した”遺品”でした。
その光景を見た瞬間、胸が締め付けられました。昨日まで競馬場で走っていたかもしれない馬。誰かに愛されていた馬。一生懸命、人の期待に応えようとしてきた馬。その子たちが、名前を呼ばれることもなく、静かに姿を消していく。私は、その現実を受け入れることができませんでした。「走れなかった」だけで、価値がなくなるのでしょうか。サラブレッドは、自分の意思で生まれてきたわけではありません。人が血統を考え、人が配合し、人が「速く走ること」を期待して生み出してきた命です。

だからこそ、走れなかった。勝てなかった。それだけの理由で、「もう必要ない。」そう判断されてしまうことに、私は強い違和感を覚えます。馬には、一頭一頭、それぞれの才能があります。
速く走ることだけが、馬の価値ではありません。
優しく人を乗せることが得意な馬。子どもたちに笑顔を届ける馬。障害飛越で才能を発揮する馬。高齢者や障がいのある方の心を癒すホースセラピーで活躍する馬。観光牧場で、人と触れ合うことを喜ぶ馬。馬にも、人と同じように、それぞれ個性があります。その個性を見つけてあげることができれば、その子には、その子だけの生きる道があります。私たちは、その可能性を信じています。
「かわいそう」だけでは、命は守れない。もちろん、かわいそうという気持ちは大切です。しかし、その想いだけでは、10年、20年と活動を続けることはできません。だからRetouchは、馬たちが社会の中で必要とされ、「観光、教育、福祉、乗馬、キャンプ、地域活動など」新しい役割を持って生きられる環境をつくることを目指しています。
「守る」だけではなく、“生き続けられる仕組み”をつくること。それが私たちの挑戦です。癒しているつもりが、癒されていた
活動を続ける中で、何度も感じることがあります。馬を助けていると思っていた。でも、本当に助けられていたのは、自分自身でした。苦しい時、迷った時、前を向けなくなった時。何も言わず隣にいてくれる馬たちは、私たちの心を何度も救ってくれました。
馬は言葉を話しません。それでも、その優しさは確かに伝わります。だから私は思います。人が馬を救うのではなく、馬と人が、お互いを支え合って生きているのだと。それこそが、Retouchの活動の本当の意味なのだと思います。
どうか、この子たちの未来を一緒につくってください!!
肥育場には、今この瞬間も、助けを待っている馬たちがいます。一頭でも多くの命をつなぎたい。そして、その子たちが最期まで穏やかに暮らせる場所をつくりたい。その夢は、私たちだけでは実現できません。ここまで歩んでこられたのも、いつも支えてくださるメンバーの皆様、オーナーの皆様、ボランティアの皆様、そしてRetouchを応援してくださるすべての方々のおかげです。心より感謝申し上げます。
もし、この活動に少しでも共感していただけましたら、ぜひRetouchの仲間になっていただけませんか。
皆様のご支援は、一頭の馬の命をつなぐだけではありません。その馬の未来を変え、そして、人と馬が共に生きる未来をつくる大きな力になります。「もう一度、生きる場所を。」
その想いを胸に、私たちはこれからも、一頭一頭の命と真剣に向き合い続けます。どうか、皆様のお力をお貸し頂ければ嬉しいです。馬たちのために、ご協力をお願いいたします!
Retouch代表 野口 佳槻
